視神経に関わる症状

圧迫性視神経症

圧迫性視神経症は、視神経そのものには病変がありませんが、その周辺の組織で病変が起こることにより視神経が圧迫されて視機能に影響が起こる病気です。

直接圧迫されることでの障害や循環障害が引き起こされて視野障害となってしまいます。

圧迫性視神経症の主な原因は、眼窩内に腫瘍が出来ることで眼球から脳へと伸びている視神経が圧迫されたり、甲状腺の機能異常により外眼筋が腫れて頭蓋内の腫瘍が起こるなど、視神経の周辺組織にある様々な腫瘍が関係しています。

腫瘍は急激に膨れ上がるわけではないので、この病気も数か月かけて進行していきます。また、無痛性なので痛みも有りません。主な自覚症状として中心暗点や視野狭窄、片目に視野障害が引き起こされたりと個人差も有ります。

原因となる腫瘍も複数存在し、視神経のどこに影響しているかによっても影響が異なります。痛みが無い事から、自覚症状に乏しい事も有ります。視野検査や瞳孔の反応などを見ながら圧迫性視神経症の疑いが無いかチェックします。

疑いが有る場合は、MRIなどで腫瘍が無いかをチェックします。原因が腫瘍にある為、腫瘍を取り除く外科的療法により治療が完了します。眼科だけでなく、耳鼻科や脳外科と連動して治療を行う事になります。術後には、ビタミンB12製剤により神経を保護する事が有ります。

中毒性視神経症

薬に頼りすぎる事で、時として視神経に悪影響がもたらされることも有ります。中毒性視神経症は、薬物の服用によって中心視力の低下を引き起こす視神経障害です。殆どは薬物を中止する事で回復しますが、長期の使用が続けば元に戻らない場合も有るようです。

エサンブトールなどの抗結核薬や抗不整脈薬のアミオダロンなどの治療薬の使用で中毒性視神経症を引き起こす事も有ります。他にも、シンナーや農薬の有機リン、メチルアルコールの誤飲なども原因となります。

症状の殆どは両目に中心暗点が引き起こされるものですが、色覚異常を引き起こす場合もあります。特に、エサンブトールの使用により発症し進行した場合は、使用を中止しても視力が回復しなかった例が半数近くに及ぶとの事。

中毒性視神経症を改善する為には、過去の病気遍歴や今現在治療中の病気に対する薬の使用履歴が必要な情報となります。発症した場合は、一日でも早く薬物の使用を中止するのに尽きます。

また、事前にそうしたリスクのある薬だと理解し、何等かの影響が現れたら、その薬に原因があると気づく事もまた大切です。

視神経炎

視神経に炎症が起こるのが視神経炎です。視神経炎は、片目に起こりやすく、また、目の後方に痛みを感じる事も多くあります。症状の進行次第では、両眼性へと移行する事もあるようです。

発症の割合の特徴が有り、20~30歳代の女性に発症する割合が高く、発症頻度は、10万人に一人程度。視神経炎が引き起こされる原因は、実はあまり詳しく分かっていません。発症数の少なさからも、なかなかデータが無い事も考えられます。

視神経炎は、視神経を取り囲んでいる髄鞘(ずいしょう)が炎症するのでこの組織を構成するタンパク質の自己免疫機能の誤作動が関係していると考えられているようです。自己免疫機能が体内の細胞を攻撃してしまう事で引き起こされる病気には、さまざまなものが有りますので、それらの一つでありアレルギー症状のようなイメージなのかもしれません。

視神経炎を発症すると、比較的急速(数日~1週間程度)に視力が低下し中心暗点に陥り映像障害が起こります。また、眼の後ろ側に痛みを持つ事もあります。治療には、副腎皮質ステロイドによる点滴が主となります。

調査によると、未治療の場合と比較しても、回復後の視力にはあまり違いは無いというようですが、副腎皮質ステロイドを使用した場合の方が、その後、2年間は再発のリスクを抑える事ができるなどのメリットがあります。他にも圧迫性視神経症などで用いられるビタミンB12製剤を用いる事も有るようです。